粗利「だけ」見ろ・・・

粗利「だけ」見ろ・・・

中西宏一著「粗利だけ見ろ」を読んでみました。
経営コンサルタントである氏の捉え方や表現は今までにはないものなのでしょうね。
利益には、通常「粗利」「営業利益」「経常利益」「税引き前利益」「純利益」とあるわけですが、何故に「粗利だけ見ろ」と言われているのかを大まかにお伝えします。
理美容業界の施術売上の粗利は80%以上という特殊な業界でもありますので「粗利」に対する見直しは特に必要ではないかもしれませんが、これからの理美容業は、利益確保のため個々のお客様のヘアケア製品の販売拡大が重要視されてきます。
したがって理美容業界には関係ないものではありません。
ましてや「理美容商材の卸業」をされている場合は、粗利はとても大切ですので参考になる本です。

本書「粗利だけ見ろ」のポイントとしてザっと本書から抜粋しました。
内容の詳細に於いては、是非一読される事をお勧めします。
*利益が出ない根本的な原因は、利益率が低い仕事や、最終的に利益がマイナスになる仕事でさえも引き受けているからなのです。
*売上アップと経営改善は別のもの
*売り上げを追うほど社員は苦しくなる
*売り上げを増やす事が会社を大きく見せようと経営陣が意識をもってしまう。
*規模を追う経営は社長の自己満足
*売り上げと利益は全く比例しない
*赤字の仕事を引き受けてしまう社長の心理がある
*赤字の仕事を受ける最大のリスクは社員が疲弊すること
*社員に粗利を見る習慣を根付かせる

以上の内容が詳細に書かれています。
皆さんも「ワーキングプア(働く貧困層)」という言葉をご存じだと思いますが、理美容業界やサービス業に於いては、ある一面「働いても働いても生活が豊かになりずらい」いわゆる「ワーキングプア」の要素が構造的になるのではないかと思っています。
理美容師の所得を向上させるには、施術と店販の総売上の「粗を見る」事は非常に大事だとこの本で再認識しました。